Vbeam II(Vビーム II)とは
Vビームは厚生労働省が認可した色素レーザーの医療機器です。Vビームから発振される波長595nmのレーザーを照射すると、血液中のヘモグロビンに選択的に吸収される特徴があります。
毛細血管が拡張したり増殖した病変部では、ヘモグロビンがレーザーの光エネルギーを吸収し、熱変換することで血管内壁が熱破壊されて血管を閉塞させます。そのため赤ら顔や、酒さ、赤アザなどの治療に効果が期待できます。
Vビームで治療できる疾患
● 酒さ、赤ら顔
● 毛細血管拡張症
● 赤アザ(単純性血管腫、乳児血管腫)
● ニキビ跡の赤み
● 傷跡やケロイドの赤み
● 小鼻の周囲の赤み
● 老人性血管腫
● 静脈湖
● イボ(尋常性疣贅)
※「毛細血管拡張症」、「乳児血管腫」、「単純性血管腫」は保険適応になります。
V beamⅡの特徴
高出力レーザー照射
従来機よりも最大照射出力があがり、より高い照射エネルギーで治療が可能です。
細かい照射設定が可能
Vビーム IIはレーザーのパルス幅(照射時間)を調節できる機能があるため、毛細血管の血管径に応じた照射時間を設定することができます。このため、赤みの症状や疾患に応じて適切かつ効果的なレーザー治療が可能となりました。また、8つのマイクロパルス(サブパルス)でパルス幅が構成されているため、より紫斑形成などの副作用を抑えた安全な治療が可能です。
DCD表皮冷却システム搭載
VビームⅡは、レーザーが照射される前に表皮を守るための冷却ガスが出る仕組みDCD(ダイナミッククーリングデバイス)システムにより、1回ごとのレーザー照射前に冷却ガスを表皮に吹き付けます。
このシステムにより、目的とする部位への治療効果を損なうことなく、レーザー照射による痛みと表皮の熱損傷を最小限に抑えます。これは今までの色素レーザーにはない仕組みです。
Doctor's Recommend
当院では、「赤ら顔」や「酒さ」の治療に力を入れています。これまで「赤ら顔は体質だから改善しない...」と諦めていた方も是非ご相談ください。漢方薬や外用薬との併用治療で「赤み」だけでなく、「ほてり」や「痒み」などの不快な症状を軽減できるような治療を心がけています。
費用
保険適応の場合
単純性血管腫、乳児血管腫(いちご状血管腫)、毛細血管拡張症の治療には健康保険が適用されます。保険診療では3ヵ月に1回の照射となります。
費用につきましては照射面積により異なります。なお、保険が適用されて10平方センチメートル以内であれば、1回の治療料金は3割負担で6,510円です。
照射面積が10平方センチメートルを超えた場合は、照射面積に応じて費用が異なります。詳しくは診察の際にご説明いたします。
自由診療(自費)の場合
治療の流れ
❶ ご予約
当院はweb予約制です。ホームページよりご予約をお取りください。初診の方もご予約いただけます。
実際の治療(レーザー照射)は後日予約にて承りますが、遠方の方などで当日の治療を希望される方は、お電話にてご予約ください。
❷ 診断と説明
診察をさせていただき、色素レーザーの適応があるかを判断します。
レーザー治療に同意されて治療を開始することになれば、レーザー治療のご予約を承ります。
❸ レーザー照射
VビームⅡは強力な冷却装置で痛みを緩和するため、照射時の痛みは「輪ゴムではじかれている程度」ですが、お痛みに弱い方は必要に応じて麻酔(麻酔クリームや麻酔テープ)を使用します。
❹ レーザー照射後
治療後はクーリングを行い、軟膏を塗布します。
❺ 次回のご予約
保険治療の場合は、3ヵ月毎にレーザー治療を行います。
次回のご予約をご帰宅の際に承ります。
副作用・ダウンタイムについて
- 赤み・痛み:治療後数時間〜2日ほどは、レーザーを照射した部位が赤くなったりヒリヒりした痛みが出る場合があります。保冷剤などでクーリングをすると症状が和らぎます。場合によっては炎症を抑える外用剤を塗布していただきます。
- 腫れ:レーザー照射により一時的に腫脹が生じます。施術後数日で自然に消退します。
- 内出血:出力を上げた場合や、血管壁が弱い方、目の周りなどに紫斑が出来る場合がありますが、1~2週間程度で消退します。抗血小板薬などの内服をされている方も紫斑が出来やすいため、注意が必要です。
- 水疱:通常はほとんど生じませんが、非常に強く照射したり、もともとの赤み症状が強く反応が強い場合に水疱が出現することがあります。症状に応じて軟膏を外用します。水疱が早期に破れると、炎症後色素沈着が長引く場合がありますので、慎重にアフターケアをしてください。
- かさぶた:レーザーを当てた部位は薄い「かさぶた」になることがあります。1~2週間で剥がれてしまいますが、それまでの間は無理に剥いだりしないでください。
- 炎症後色素沈着:レーザー照射により生じる熱で皮膚に炎症が起こるため、施術後に炎症後色素沈着が生じることがあります。当院では必要があれば美白剤(自費)などで対処します。治療後は遮光をして日焼けしないように注意してください。
施術概要
機器について
皮膚良性血管病変治療用レーザー装置:VbeamⅡ治療間隔
治療間隔
保険適応の場合は3カ月に1回の治療になります。自費診療の場合は1カ月に1回の治療になります。
治療前の注意点
レーザーを当てる部位は治療前後に日焼けしないようにしてください。レーザーの光が皮膚のメラニンに吸収されて治療効果が低下したり、合併症の原因となります。日焼けしている方は日焼けが落ち着いてからの治療になります。治療期間は必ず日焼け止めなどを塗って日焼けしないように気を付けてください。
また、レーザー照射前には、お化粧や日焼け止めをしっかり落としていただいてから施術をします。
治療回数の目安
血管腫、赤ら顔で5回以上が目安です。継続して治療を行うことで効果を出していきます。尚、治療回数に制限はありません。
治療時間
1分~10分程度(施術範囲によります)
副作用
赤み、腫れやむくみ、内出血、水疱、色素沈着など
治療を受けられない方
●妊娠中の方(禁忌ではないが推奨していない)
●金の糸治療を受けた方
●日焼けをしている部位へのレーザー照射
入浴やメイクについて
- 入浴は普段通りに可能です。
- スキンケアやメイクは施術直後から可能です。ただし、赤みやヒリつきが強いときには患部を擦らないでください。