酒さ・赤ら顔について

酒さとは

酒さの症状

酒さは、頬や鼻、顎など顔の中心部が赤くなる疾患です。
特徴的な症状として、いわゆる「赤ら顔」と呼ばれる、皮膚の赤みと火照りが挙げられます。また、ニキビに似た赤いブツブツ(紅色丘疹)が生じることもありますがニキビとは違う病気です。
酒さの方は敏感肌であることが多く、化粧品などが触れるとヒリヒリ刺激を感じやすい肌質です。
酒さで見られる症状は、時期によって悪化や軽快を繰り返しやすく、増悪因子があると症状は悪化します。

酒さは、症状によって以下のように分類されますが、それぞれが混在することもあります。

毛細血管拡張型酒さ(第1度酒さ)
酒さの初期症状で、一過性の顔に紅斑(赤み)とほてり感が主体で「赤ら顔」とも呼ばれます。よく見ると皮膚の毛細血管が拡張しています。

丘疹膿疱型酒皶(第 2 度酒皶、酒さ性痤瘡)
ざ瘡(ニキビ)に似た紅色丘疹(赤いブツブツ)や膿疱(膿が溜まったや白いできもの)が主な症状です。ニキビとの違いは、ニキビの初期症状である面ぽう(コメド)を伴わないことです。

鼻瘤(第 3 度酒皶)
鼻部を中心とした腫瘤を形成します(鉄腕アトムのお茶の水博士の鼻)。男性に多い症状ですが、日本人で発症する人は多くありません。

眼型酒さ(眼合併症)
眼瞼・眼球結膜の充血や炎症を伴います。

酒さの原因について

酒さの原因は、まだ完全に明らかになっていませんが、遺伝的な要因や環境因子が複雑に関与していると考えられています。増悪因子が加わると悪化しますので注意してください。

悪化因子

酒さの増悪因子
✔紫外線
✔辛い刺激のある食べ物やアルコールの摂取
✔外気温の急激な変化(寒暖差)
✔精神的な緊張や感情の高まり
✔過度な運動
✔不適切なステロイド外用薬の使用

酒さの鑑別

酒さの治療には、正確な診断が必要です。そのため、酒さの症状と似ている他の皮膚疾患との鑑別が必要となります。

酒さの鑑別診断
脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎、花粉皮膚炎、光線過敏症、尋常性ざ瘡(ニキビ)、膠原病(全身性エリテマトーデスや皮膚筋炎)、好酸球性毛包炎、顔面播種状粟粒性狼瘡など
※ただし、これらの疾患の中には、酒さと合併しやすいものもあります

酒さの治療

治療は、増悪因子を回避する生活指導に加えて、薬物治療や理学療法を組み合わせて行います。

生活指導・スキンケア指導

 

酒さの悪化因子を避けるようにします。季節ごとの悪化因子としては、

春:花粉が飛散するため、顔が痒くなりやすい季節です。眼鏡やマスクの着用で花粉が顔に付着しない工夫が必要です。
夏:紫外線量が増えて悪化します。お肌に合う日焼け止めを忘れずに塗りましょう。
冬:大気の乾燥で皮膚が敏感になったり寒暖差が大きくなるため火照り感が強くなります。

一年を通して、刺激が少なく保湿効果の高い化粧品を使用しましょう。

薬物治療

外用薬による治療

メトロニダゾールゲル(ロゼックスゲル🄬)


メトロニダゾールの外用薬が保険適応となりました。
メトロニダゾールは、
◎酒さ病変部において増加している活性酸素種の生成を抑制することで抗炎症作用を持つ
◎免疫細胞によるTNF-αの産生や貪食細胞の免疫能等を抑制することで免疫抑制作用を持つ
ことで、酒さに効果が期待できます。

アゼライン酸(アザクリア🄬)
アゼライン酸は海外で約30年前から使用されているニキビの外用薬ですが、酒さに対してはメトロニダゾールと同等の有効性があると言われています。妊娠、授乳中の方でもご使用いただけます。(保険適応外)

タクロリムス(プロトピック軟膏🄬)
不適切なステロイド外用薬の使用によって生じた酒さ様皮膚炎で使用する場合もありますが、保険適応外であること、また刺激感を伴うことや場合によっては酒さ・酒さ様皮膚炎を悪化させることもあり注意が必要です。

イオウカンフルローション
毛包虫(ニキビダニ)の増殖を伴う酒さに用いることがあります。

内服薬による治療

ドキシサイクリン・ミノサイクリン内服
丘疹膿疱型酒さに対し有効性が証明されている抗菌薬です。メトロニダゾール外用薬などと併用しながら、1~3か月程度服用します。

漢方薬
紅斑毛細血管拡張型酒皶において、梔子柏皮湯,黄連解毒湯,葛根紅花湯,桂枝茯苓丸,温清飲など
丘疹膿疱型には荊芥連翹湯や十味敗毒湯,白虎加人参湯など

理学療法

当院では、紅斑毛細血管拡張型酒さに、ポテンツァ(マイクロニードルRF)、VビームⅡ(パルス色素レーザー)、フォトフェイシャルM22(IPL光治療)を使用した治療を行っております。

ポテンツァ赤ら顔モード

赤ら顔の赤みとほてりを改善

ポテンツァは、マイクロニードルを用いてRF(高周波)を照射する施術です。
ポテンツァによる赤ら顔治療では、RF照射により、VEGF(血管内皮細胞増殖因子)による血管新生に関連するプロセスを抑制!赤ら顔における赤みと火照り感を軽減させます。

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VビームⅡ

細かい毛細血管の拡張に絶大な効果を発揮

VビームⅡは、波長595nmの色素レーザーで、毛細血管拡張を減少させることで紅斑毛細血管拡張型酒さの症状を改善させます。照射後には紫斑を生じることなく、より赤みを減少させます。

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フォトフェイシャルM22

赤ら顔とシミ、肌質も同時に改善させたいならM22

フォトフェイシャルM22の9種類のフィルターのうち、赤ら顔にはヘモグロビンの吸光度が高く、赤ら顔、毛細血管拡張症に使用する590nmのフィルターを用います。他のフィルターと組み合わせることで、シミや肌質改善への効果も同時に期待できます。

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酒さ・赤ら顔

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