イソトレチノイン内服

イソトレチノインとは

ニキビ治療薬(商品名:アクネトレント)はイソトレチノインというビタミンAの一種で、皮脂の分泌を抑える作用、アクネ菌に対する抗菌作用、抗炎症作用に優れているため、重症のニキビに対して効果があります。

※イソトレチノインの商品名はアキュテイン、ロアキュタンなど複数あり、いずれも同じイソトレチノインを主成分とする薬です。

海外では、重症のニキビ治療に有効な薬剤として認知されていますが、日本では厚生労働省の承認が取れていないため、保険が適応されません。

海外での位置づけ

グローバルアライアンス(Global Alliance)は、2001年以来定期的に会合しているニキビの研究と教育に関心を持つ皮膚科医の国際的なグループですが、このグローバルアライアンスが2003年に発表した「ざ瘡治療アルゴリズム」は、国際的なニキビ治療のガイドラインとして用いられています。

そして、このガイドラインでは、重症のニキビの治療でイソトレチノインの内服(上図におけるレチノイド内服)は第一選択肢となっています。

ただし、日本では未承認の治療薬であり、医師が輸入し患者さんに処方することを除いて、患者さん個人が輸入することは禁止されております。

イソトレチノインの作用

 

POINT1 皮脂を分泌する皮脂腺を縮小させ、皮脂の分泌を減らす

POINT2 皮膚の角化を抑制し、毛穴のつまりを防ぐ

ニキビは皮脂の分泌亢進と毛穴のつまりが原因となるため、この強力な作用により重症ニキビに効果を発揮します。

イソトレチノインによるニキビ治療について

イソトレチノインは、日本では未承認の治療薬であるため、当院では、Journal of the American Academy of Dermatology(アメリカ皮膚科学会誌)のエビデンスレベルの高い論文に基づき、治療を行っております。

 

イソトレチノインに関する国際的なコンセンサス

consensus1:イソトレチノイン内服は、非常に重度のニキビ(嚢腫性ニキビや集簇性ニキビ)の第一選択治療である

そのため、当院では、保険診療では治癒が期待できない重症ニキビの治療薬として用いています。

consensus2:通常0.5〜1.0mg/kgの用量が推奨

当院では、通常0.5mg/kgで治療を開始しますが、用意できるカプセルが10mgと20mgの2種類であるため、例えば、50kgの患者様の0.5mg/kgは25mgですが、20mg/日で服用するか、もしくは30mg/日の服用とするかは、患者様毎に調整しております。

consensus3:治療期間は4-6ヶ月間とする

当院では、通常5か月間の治療期間としておりますが、良好な経過を得ております。

consensus4:再燃や再発を防ぎ寛解状態を保つための累積投与量は120-150mg/kgである

ただし、これに関しては、追加の研究が必要とも言われています。当院での経験上、日本人の場合は、これよりも少ない累積投与量でも寛解維持できることも多いのですが、日本では厚生省が認可しておりませんので、日本人に必要な累積投与量についての調査はされていません。

consensus5:イソトレチノイン療法は、ニキビが完全に消失するまで続ける必要がある

そのため、5か月間の内服で治癒していない場合は、追加で1か月内服します。

 

治療ができない方
  • 妊娠中の方、妊娠の可能性がある方、妊娠を希望されている方
  • 授乳中の方

イソトレチノインの重大な副作用の一つに、妊娠している女性に投与すると流産や胎児の奇形を引き起こすという副作用があります。
そのため、服薬期間中とその前後1か月間は妊娠してはいけません。もし妊娠した場合は、すぐに服用を中止し医師に相談してください。

  • 15歳未満の方や成長期で身長が伸びている方
  • イソトレチノイン製剤、トレチノイン製剤、ビタミンAでアレルギーを起こしたことのある方
  • テトラサイクリン系の薬剤を内服されている方
  • うつ病その他の精神疾患で治療中の方
  • 肝機能障害のある方
  • 中性脂肪、コレステロールの高い方
  • ビタミンA過剰症の方
  • 大豆アレルギーの方(アクネトレントには、大豆油が含まれているため)
副作用

イソトレチノインの重大な副作用の一つに、妊娠している女性に投与すると流産や胎児の奇形を引き起こすという副作用があります。

その他の副作用としては以下のようなものがあります。

  • 鬱、精神病(幻覚、幻聴)、自傷行為、自殺企図などの重大な精神疾患
  • 皮膚や粘膜の乾燥症状
  • 鼻の粘膜が乾燥した場合に生じる軽度の鼻血
  • 頭痛
  • 発疹、軽度の痒み、落屑
  • 眼瞼炎、結膜炎
  • 筋肉痛や関節痛
  • 肝機能低下
  • 血液中のコレステロール値の上昇
  • 脱毛(一時的なもので、内服終了後に回復します)
  • めまい、吐き気
  • うつ傾向
服薬中に気をつけること

❑ 必ず医師の指示に従って服用してください。
❑ 服用期間中とその前後1カ月間に性行為をする場合は、必ず避妊を行ってください。
❑ 服用期間中と後1か月間は献血をしないでください。
❑ 治療開始後、最初の数週間でニキビが悪化する方もいますが、治療を継続することで改善しますので、自己判断で中止しないでください。

治療の流れ

STEP1 ご予約

当院は、予約制となっております。WEB予約の上、ご来院ください。

STEP2 診察

ニキビ専用の問診票に記入していただきます。
問診票をダウンロードし、事前に記入していただいたものをお持ちいただけるとスムーズです。
これまでのニキビの治療と効果について確認します。
イソトレチノイン治療の適応があり、治療を希望される場合には自費診療の扱いとなります。
治療上の注意についての説明をした上で、ご了承いただければ同意書にサインを頂戴します。治療開始前の血液検査と記録のための写真撮影をします。

 

STEP3 再診

ニキビの新生の有無や副作用について確認し、薬の服薬量を調整します。

治療についてのご不明な点等ございましたら、何でもお尋ねください。

 

STEP4 維持療法

ニキビが再発しないための維持療法を行います。
また、ニキビ跡が残った場合、ご希望に応じてニキビ跡の治療についてもご説明いたします。

 

料金

※診察料・・・初診料3,300円/再診料1,100円
採血検査 1回 3,300円 別途いただきます。

ニキビ

  1. ポテンツァ

  2. ダーマペン4

  3. VビームⅡ

  4. ハイドラジェントル

    ハイドラジェントルは、【ピーリング】・【ディープクレンジング】・【美容成分の保湿】を同時にできる最新ウォーターピーリングマシンです…

  5. ニキビ(ざ瘡)治療〈自費診療〉

    ニキビ(尋常性ざ瘡)治療については、アダパレンや過酸化ベンゾイルの登場・普及に伴い、ニキビ患者様の多くは保険診療による治療で改善、…

  6. イソトレチノイン内服

  7. BIRETIX ビレティックス

    BIRETIX

  8. ホルモン療法

    ニキビの原因 男性ホルモン

  9. Jan MARINI SKIN RESEARCH®

美容皮膚科