水道水イオントフォレーシス療法は、保険診療の掌蹠多汗症（手足の多汗）に対して行う治療です。
イオントフォレーシス
イオントフォレーシスは、多汗を認める手のひらや足の裏を水を入れた専用の容器の中に浸し、10分程の直流電流を流す方法で、手足の多汗症に有効な治療法です。
電流を通電することにより生じる水素イオンが汗孔（かんこう：汗が排出される出口）を潰して、その数を減らしていくことにより発汗を抑えます。
このような方にお勧めです
✔軽症～中等症の掌蹠（手のひら、足の裏）多汗症の治療に適しています。
✔塩化アルミニウム液外用の効果が不十分な場合にも治療可能です。
✔小児の方にも治療可能ですが、治療中はピリピリとした感覚があるため、お痛みに弱い方は注意が必要です。
イオントフォレーシスの特徴
〇欧米では多汗症に対する一般的な治療法です。
〇効果は比較的高いのですが、速効性には乏しく、週1回、5～10回を目安に効果を判定します。
〇効果がある場合は、多汗症状の様子を見ながら適宜治療間隔を空けて継続をしていきます。
治療の手順
step1
多汗を認める手のひらや足の裏を水を入れた専用の容器の中に浸し、15分程度、直流電流を流します。
手足の各部位につき、治療時間は1回15分程度です。
step2
「初期治療」として、週に１，2回継続します。
step3
初期治療を５,6回行うと汗の量が減ってきますので、効果が現れたら、初期治療と同じ方法で週1回の「維持療法」を行います。
step4
効果がある場合は、多汗症の症状の様子を見ながら適宜治療間隔を空けて継続をしていきます。
イオントフォレーシスのメリット
◎痛みなどの苦痛を感じず継続できます。
※ただし、施術中はピリピリとした感覚が生じますので、お痛みに弱いお子様は継続できない場合があります。
◎代償性多汗（治療部位とは異なる他の部位に多汗が出現する症状）など大きな副作用がありません。
◎小児から成人まで年齢に関係なく治療できます。
よくあるご質問
Ｑ：電流を流した際に痛みはありますか？
Ａ：電流を強くしすぎるとピリピリとした刺激を感じますが、実際の治療ではわずかな刺激を感じる程度です。ただし、お痛みに弱いお子様の場合は、ご本人が治療を嫌がることもあります。また、治療前に皮膚表面にワセリンを塗布するとピリピリ感が軽減し、電流量を多くすることができるので治療効果が高まります。
Ｑ：治療費用について教えてください。
Ａ：イオントフォレーシス治療は保険適応ですので、再診料+1回660円（3割負担の方）となっております。
※0歳から中学3年生修了（15歳に達する日以後の最初の3月31日）までの小児の方は、福祉医療費受給者証を提示することで、受給者負担金500円までの支払いで治療が受けられます。
Q：初診の際に予約は必要ですか？
A：初診の際は、ウェブ予約もしくは予約専用ダイヤルから診察予約をお取りいただけます。イオントフォレーシス治療開始後は次回の処置予約をお取りできます。
Q：持ち物はありますか？
A：治療終了後に手や足を拭くタオルを持参ください。
